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Thunder and Lightnings -Japanese Edition-

Posted by Ken at February 22,2012

英国を代表する児童文学作家ジャン・マークの処女作にして出世作 "Thunder and Lightnings(邦題:ライトニングが消える日)"を読み終えました。

▲ Thunder and Lightnings

時は1970年代。舞台は英国ノーフォーク州の田舎町。主人公や周りの人たちは魔法を使えるわけでも、空を飛べるわけでもなく、またドラマチックな展開があるわけでもない、ごくごく普通の少年たちのありふれた日常を描いています。

私がこの本を知ったのは、ちょうどライトニングのモデルレビューで関係資料を探していた時。

7回目の引っこし先、ノーフォークの田舎でアンドルーを待っていたのは大空を飛び回る戦闘機と耳をレーダーのようにピンとたてた少年だった―「聞こえる?」「ライトニングだ」「…二分半で四千フィート」ぼくたちの夏がゆるやかにあつくなる。


そんなキャッチに惹かれて本書を入手。読みなれない児童文学の文体に少しいらっとしながらも読了。読後感はとても爽やかなものでした。面白かったのが、やはりライトニングに関係する記述。ちょっと拾ってみると、

「ぼくはライトニングが好きだ。世界でいちばん速い飛行機だったんだよ、昔はね。ライトニングが上昇するのを見てごらん。再燃焼(リヒート)するんだ」

アンドルーは、ビクターが専門的な話をはじめるのではないかと心配になった。再燃焼なんて聞いたことがない。まるで病気のことみたいだ。

おはようございます、先生。わたくしおそろしく気分が悪いんです。再燃焼してしまって。治療法はないんですよ、奥さん。摘出するしかありません。


私はこの行(くだり)を読んで大笑い。また、こんな記述も。

「あれがライトニングだ」ビクターが愛情のこもった声で言った。

アンドルーはがっかりした。もっと優雅でなめらかな機体を想像していたのだ。(中略)トイレットペーパーの芯とボール紙で作ったへたくそな模型飛行機といった感じだ。


そんなライトニングも引退、というニュースが「ライトニング大好き少年」ビクターの耳に届きます。アンドルーはビクターを励まそうとしますが、いい言葉が見つかりません。

といった感じで物語はゆるやかに進んでいきます。まだお読みでない方は、試しに本書を手に取ってみてください。過剰な期待はしないほうがいいですが、忘れかけていた少年の心がきっと蘇ってくるに違いありません。

Category Tag: Book
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